Cheers!体のハンブンがビールでできてるSANTO(@elsantobeer)です。
みなさんのビールのイメージってどんな感じですか?おそらく多くの人が「黄金色」「炭酸強め」「ジョッキ」といったものをイメージするんじゃないでしょうか。
実はこれピルスナーと呼ばれるビールスタイルで、数あるビールスタイルの一つに過ぎないんです!
このブログの読者の中にはビールが苦手という人もいるかと思います。そんなアナタにこそ知ってもらいたい!
ピルスナーは嫌いになってもビールは嫌いにならないで。
(注:ピルスナーも素晴らしいビールです)
ビールスタイルは100種類以上もあると言われておりピルスナーだけでビールを判断するのはあまりにMOTTAINAI!
ということでこの記事では幅広いビールスタイルの世界を紹介します。
ビールスタイルとは
そもそもビールスタイルって何よ?という話なのですが読んで字のごとく「ビール」の「スタイル」です。ようはビールの種類ですね。
日本ではビール=ピルスナーが一般的なので「とりあえずビール」と頼めばジョッキに入った黄金ビールがドンッとでてきます。
一方、ドイツやベルギーなど多種多様なビールが飲める国では「とりあえずビール」と頼んでも「ん?どのビールよ?」となります。
最近日本でもクラフトビールが人気でさまざまなビールがいろんな場所で飲めるようになってきましたよね。
ビールスタイルを知っておくことで気分や料理に合わせて自分が飲みたいものを選ぶことができるのです。これめちゃ楽しいですよー!
ちなみに英語でもBeer Styleで普通に通じます。海外にはビール好きの人がたくさんいるのでぜひ自分の好きなビールスタイルを見つけてワールドワイドでビール談義に花を咲かせちゃってください!
【厳選】オススメのビールスタイル11選
とはいえ100種類もあるビールスタイルをすべて覚えるのは正直しんどいですよね。かくいうぼくも全部は知りません(おい)。
このブログを通してできるだけ多くのビールスタイルに触れていきたいと思いますが、とりあえず今回はコレは知っといた方がいいと思われるビールスタイルを厳選して紹介します。
それぞれのスタイルの特徴や歴史、合う料理などを紹介するのでぜひ読んでってください!
そうそう。オススメのビールスタイルを紹介する前に見慣れないビール用語がチラホラ出てくるので、先に簡単に説明します。
IBU…「International Bitterness Units」の略で、直訳すると「国際苦味単位」。ようはそのビールがどんだけ苦いかが数値でわかります。
数値が高いとそれだけ苦いということなのですが、甘味や酸味とのバランスでそこまで苦くないかも?ということもあります。
あくまでもIBUは理論値なので参考程度に考えて、実際に飲んでみるのが一番手っ取り早い(あたりまえか)
SRM…「Standard Reference Method」の略で、直訳すると「標準参照法」。
ようはビールの色を数値化した色度数のことで、色が薄いほどSRMの値は低く、濃いほど値が高くなります。
ビールの色は麦芽の色が大きく関係しているのですが長くなるのでまた今度改めて記事にしたいと思います。
それではお待たせしました!
オススメのビールスタイルを解説します!
ピルスナー
【基本情報】
発祥国:チェコ、ドイツ
アルコール度数:4.6%〜5.3%
IBU:25-40
色度数:3-4 SRM
発酵方法:下面発酵(ラガー)
【特徴】
日本人にもっとも馴染みがあるビールスタイル。透明度の高い黄金色。泡が純白できめ細かくもちがいい。草花を思わせる繊細なホップの香り。甘みが少なくホップの苦みが強め。ドライでクリーンな飲み口。
【歴史】
1842年にホップの名産地であるチェコのピルゼンで誕生。当時チェコのビールは質が悪く、なんとかうまいビールを作りたい!とドイツ・バイエルンの醸造家を招きピルゼンにある原材料でビール作りを始めます。
当時バイエルンで流行っていた褐色の濃い味わいのビールを作ろうとしたところ、出来上がったのは黄金色のスッキリしたビールでした。
これはバイエルンの水が硬水だったのに対してピルゼンの水は軟水だったことが関係しているようです。水だけでこんな変わるなんて不・思・議!
こうしてこのビールは「ピルスナー」と呼ばれるようになり地元で大変な人気となりました。現在は「ボヘミアン・ピルスナー」と呼ばれています。
ドイツからチェコに伝えられたこの製法がドイツに逆輸入され「ジャーマン・ピルスナー」が作られます。ドイツ人としてはちょっと複雑?
アルコール度数が低めでスッキリ飲めるのでこちらもドイツで大ヒット!ちなみに日本含め世界中の大手ビールメーカーがお手本にしているのがこのビールです。
【合う料理】
炭酸が強めで口の中をサッパリさせるので揚げ物やこってりした食べ物によく合います。ホップの苦味とキャベツの甘みも相性のいいとりあわせ。
・唐揚げやコロッケなどの揚げ物
・ジャーマンポテト
・キャベツとベーコンの蒸し焼き
【代表的な銘柄】
ボヘミアンピルスナー:ピルスナーウルケル
ジャーマンピルスナー:ビットブルガー
ヴァイツェン
【基本情報】
発祥国:ドイツ
アルコール度数:4.9%〜5.6%
IBU:10-15
色度数:3-9 SRM
発酵方法:上面発酵(エール)
【特徴】
南ドイツで古くから作られている伝統的な小麦ビール。大麦のモルトに加え、小麦のモルトが50%以上使われている。バナナやクローブ(丁字)、バニラのような甘い香り。こんもり盛り上がるきめ細かい泡と濁りが特徴で苦味はほとんど感じない。
【歴史】
南ドイツのバイエルンで誕生。世界で最も古いブルワリー「ヴァイエンステファン醸造所」で1040年に初めて作られたようです。
16世紀にバイエルンの特産品になるも19世紀後半には流行が下火に。1970年代にはほとんど作られなくなってしまいました。
しかーしビールマニア達がこの素晴らしいビールを放っておく訳はありません。1980年代にヴァイツェンは再評価され世界中で作られるようになりました。
【合う料理】
小麦のモルトを50%以上使用しているので小麦を使った料理とよく合います。強い酸味と調和し、逆に甘味と合わせるとビールの酸味が引き立ちます。苦みが少ないので繊細な料理とも合わせやすいです。
・白ソーセージ(ヴァイスヴルスト)
・パン、ホットケーキ
・バニラアイス
【代表的なビール】
ヴァイエン ステファン
パウラーナー
ベルジャンホワイト
【基本情報】
発祥国:ベルギー
アルコール度数:4.8%〜5.6%
IBU:10-17
色度数:2-4 SRM
発酵方法:上面発酵(エール)
【特徴】
ヴァイツェンが小麦モルトを使うのに対してベルジャンホワイトはモルト化してない小麦を使う。副原料にオレンジピールとコリアンダーを使用しているので、ほのかに柑橘系やスパイスの香りがする。白く濁り豊富な泡立ちが特徴。
【歴史】
14世紀頃、ベルギーの首都ブリュッセルから車で1時間ほどの地域で誕生。とくに醸造が盛んだったのがヒューガルデン村。
しかし次第に手間のかかる伝統的な手法は廃れていきます。ヒューガルデン村には元々35の醸造所がありましたが、1950年代半ばにはなんと1つに!ベルジャンホワイト大ピンチ。
そんな危機をピエール・セリスが救います。かつてベルジャンホワイトの醸造を手伝っていたセリスは醸造所を立て直し伝統的手法のベルジャンホワイトを見事復活させたのです。
ちなみにセリスが手がけ世界的に有名になったのが「ヒューガルデン ホワイト」。
ベルジャンホワイトは、ヴァイツェン同様絶滅の危機を逃れ世界中の飲み手から愛され続けています。
【合う料理】
コリアンダー(パクチー)を使用しているので、ハーブやスパイスを使った料理や酸味のある料理と相性がいいです。爽やかな甘みと酸味も特徴で、淡い味わいの料理もイケます。
・パクチーサラダ
・タンドリーチキン
・魚介類のマリネ
【代表的なビール】
ヒューガルデン ホワイト
ランビック
【基本情報】
発祥国:ベルギー
アルコール度数:7.0%〜8.9%
IBU:11-23
色度数:9-13 SRM
発酵方法:自然発酵(野性酵母)
【特徴】
甘みはほとんどなく強烈な酸味が特徴。色は明るいオレンジ色でフルーティな香りに加え、ヨーグルトやチーズのような香りがする。野生酵母を使う珍しいビールで苦味を飛ばすためホップも2〜3年ほど寝かせたものを使う。最長3年間樽で熟成。日本では熟成ランビックと若いランビックをブレンドして二次発酵させたグーズ・ランビックが出回っている。
【歴史】
ランビックは、16世紀にはブリュッセル近郊で醸造されていたようで、その製法は500年近くたった今も変わっていません。
名前の由来は諸説ありますが、ランビックを伝統的に生産していたレンベーク(Lembeek)村からとったといわれています。
ちなみに「ランビック」という名前はブリュッセルで作られたものにしか認められていません。
ブリュッセル以外で作られた自然発酵ビールは「ランビックスタイル」と表示する必要があります。(シャンパンとスパークリングワインの違いみたいな感じ?)
【合う料理】
酸味が強くドライな味は脂の乗った青魚や貝の刺身と合います。また酸味が脂のくどさをサッパリとさせるので、揚げ物やバターソテーともGood。チーズとの相性も抜群です。
・スモークサーモン
・きのこのバターソテー
・ムール貝のランビック蒸し
【代表的なビール】
グーズ・ブーン
セゾン
【基本情報】
発祥国:ベルギー
アルコール度数:4.4%〜8.4%
IBU:20-40
色度数:4-14 SRM
発酵方法:上面発酵(エール)
【特徴】
セゾンは3月に仕込み夏まで貯蔵するビール。半年程の貯蔵に耐えられるよう防腐効果のあるホップを多めに加える、スパイスや乳酸菌を入れる、瓶内二次発酵させるといった工夫を各ブルワリーが施している。甘み、酸味、苦味のバランスがいい。
【歴史】
ベルギー南部の農家が夏の農作業時にお茶がわりとして飲むため、農閑期の冬に仕込んでいたのが発祥とされています。
ちなみにセゾンとはフランス語で「季節」を表す「saison」から来ていて期間限定の意味。
繁忙期の農家の中にはたくさんの労働力を確保しようと「うちに来たら○リットルのセゾンが飲めるよ〜」といったビール好きにはたまらない条件提示をしていたところもあったようです。(うらやましい)
やがて一年中セゾンが作られるようになると海外にも輸出され、世界的に人気が爆発。
現在では各国でさまざまなセゾンが作られ、木樽で熟成したり、苦みや酸味を加えたり、それぞれのブルワリーが多様なセゾンを提供しています。
【合う料理】
甘味、酸味、苦味のバランスがいいので割とどんな料理にでも合わせやすいです。特にスパイスの効いた料理とホップのハーブ感がマッチします。日本の山菜や川魚の塩焼きとも相性良し。
・ガパオライス
・ふきのとう、タラの芽
・鮎の塩焼き
【代表的なビール】
セゾン・ドュポン
ペールエール
【基本情報】
発祥国:イギリス
アルコール度数:4.4%〜5.3%
IBU:20-40
色度数:5-12 SRM
発酵方法:上面発酵(エール)
【特徴】
モルトの甘味とホップの苦みがほどよく、フルーティな香りがする。色はオレンジや銅色。硬水で仕込むため甘味がドライ。
【歴史】
「ペールエール」という言葉は17世紀ごろから使われていて当時は淡色麦芽から醸造されたエールの総称でした。
ホップの風味は軽く現在ぼくらが飲んでいるいわゆる「ペールエール」とはかなり違ったものだったようです。
現在ぼくらが飲んでいる「ペールエール」は1822年にイギリス中部、バートン・アポン・トレントで誕生しました。
事業家のヒュー・ド・オールソップがティーポットで試験的に作ったのが発祥とされています。(さすが紅茶の国イギリス)
ペールとはもともと「薄い」という意味。ペールエールは銅色をしているのでぼくらが想像するいわゆる黄金色のビールよりもむしろ色が濃いのでは?と思う人もいると思います。
これは19世紀初頭当時のイギリスのビールがダークブラウンのような濃い色をしていてそれに対して薄いからということらしいです。
このペールエールの色の薄さは水が大きく関係しています。ペールエールが生まれたバートンの水はカルシウムやマグネシウムなどのミネラルを豊富に含む硬水。
このミネラルがモルトの甘味とホップの苦味をうまく引き出すとともに、濁りのないクリアなビールを生み出しました。
ちなみにビール醸造の過程でこのバートンと同じ水質にするためにミネラルを添加することを「バートナイズ(バートン化)」と呼びます。
ペールエールは今や各国のさまざまなホップの品種と出会い世界中で親しまれています。
【合う料理】
ホップの苦味と香りがメキシカンやエスニック料理とよく合います。ホップの苦味が肉の旨味を際立たせるのでグリルした肉料理とも相性がいいです。香ばしく焼いたエビなどの甲殻類と合わせるのもおススメ。
・タコス
・牛肉のステーキ
・エビのグリル
【代表的なビール】
よなよなエール
IPA
【基本情報】
発祥国:イギリス
アルコール度数:4.5%〜7.1%
IBU:35-63
色度数:6-14 SRM
発酵方法:上面発酵(エール)
【特徴】
爽やかな植物や柑橘系の香りで甘味とともに強い苦味が特徴。色は澄んだ琥珀色(アンバー)。さまざまなホップと組み合わせることでビールに個性を持たせる。
【歴史】
IPA(インディアペールエール)は1790年代にロンドンのブルワー、ジョージ・ホジソンがインド向けに輸出していた「オクトーバー」というビールが原型。
当時インドにはアジア貿易を目的に「イギリス東インド会社」が設立され、たくさんのイギリス人がインドに住んでいました。
当時のインドではビール作りに必要な原材料や衛生的な水が手に入らず、冷蔵技術もなかったため現地で醸造して保管するということは難しい状況でした。
それならイギリスからインドにビールを送ろう!と試みるも、4〜5ヶ月にわたる長い航海期間、赤道直下を通ることによる急激な温度上昇、激しい揺れといった過酷な環境はビールを著しく劣化させました。
そこでホジソンはロンドンで販売していたビールの改良に取り組みます。長い航海に耐えられるよう数ヶ月熟成し、腐敗菌のエサとなる糖分をすべて発酵。アルコール度数を高めるとともに殺菌効果のあるホップをこれでもか!というくらいぶち込みました。
結果、ビールの品質を損なうことなく現地に届けることに成功。こうして過酷な条件にも耐えうるIPAが誕生したのです。このIPAがさまざまなホップと出会い、現在世界中で大人気となっています。
【合う料理】
ビール自体の個性が強いので力強い料理と相性がいいです。ホップの強烈な苦みが肉の旨味と甘味を引き立てます。味噌や醤油ベースの甘辛い煮込み料理やえぐ味をもつ野菜とも好相性。
・マトンカレー
・もつ煮込み
・木の芽の天ぷら
【代表的なビール】
グランドキリンIPA
インドの青鬼
ブラウンエール
【基本情報】
発祥国:イギリス
アルコール度数:4.2%〜6.0%
IBU:15-25
色度数:12-25 SRM
発酵方法:上面発酵(エール)
【特徴】
トーストや焦がしたカラメルのような焙煎したモルトの香りがある。色は赤褐色〜褐色。ホップの苦みは弱めでモルトの優しい甘味とかすかな酸味が特徴。
【歴史】
発祥について詳しくわかっていないものの1700年頃には飲まれていた歴史あるビール。
ブラウンエールの代表的な銘柄である「ニューキャッスル ブラウンエール」はイギリス北東部のニューキャッスルで1925年に登場しました。
当時大流行していた苦味のあるペールエール(バートン生まれ)に対抗すべく、逆に苦味を抑えたビールを考案。これが特にイギリスの重工業を支える労働者たちに刺さり、今でも親しまれています。
【合う料理】
トーストや焦がしキャラメルのような香ばしい風味がナッツなどとよく合います。アルコール度数が低めなので和風だしを使った料理や醤油ベースの煮物とも合わせやすいです。優しい甘味が酸味を和らげるので酸味を効かせた野菜料理とも相性良し。
・ミックスナッツ
・きんぴらごぼう
・野菜のマリネ
【代表的なビール】
ニューキャッスルブラウンエール
スタウト
【基本情報】
発祥国:アイルランド
アルコール度数:4.1%〜5.3%
IBU:30-40
色度数:40 SRM以上
発酵方法:上面発酵(エール)
【特徴】
いわゆる「黒ビール」。真っ黒な液体にクリーミーな泡と焦げたような香りが特徴。飲むとカラメルのような香りと爽やかな酸味、ほのかな甘味が感じられる。
【歴史】
スタウトの歴史に触れる前にスタウトの前身である「ポーター」というビールについて少し解説します。
ポーターは1722年にロンドンで生まれました。当時ロンドンではスリースレッドというビールカクテルが人気でした。これはペールエールとブラウンエール、古くなって酸味が出たブラウンエールを混ぜたもの。
あるときロンドンのパブオーナーであるラルフ・ハーウッドが「混ぜるのめんどいから同じ味のもの作ればよくね?」とエンタイアというビールを作ります。(発想が大胆っ)
これがパブ近くの青果市場で働いていたポーター(荷運び人)たちにヒットしポーターと呼ばれるようになりました。
前置きが長くなりましたがこっからは、スタウトの話。
スタウトの代表的な銘柄である「ギネス スタウト」が生まれたのは1759年。実業家であるアーサー・ギネスがアイルランドのダブリンに醸造工場を設立。
当時ビールの税金は原材料の麦芽にかけられていました。ギネスはもともとポーターを醸造する気満々だったのですがなんとか安く作る方法はないかと考えぬきます。
そして閃いたのが「麦芽にしなきゃいんじゃね?」ということ。(これまた発想が大胆っっ)
麦芽化していない大麦を直接ローストして原材料に加えることを思いつき実際にやってみると、焙煎した麦の香りとコク、シャープな味わいが大ヒット。
瓶の製造技術が進歩した19世紀からは輸出先が急拡大。あの有名なタイタニック号にも大量に積まれていたというからかなり人気だったようです。
【合う料理】
デミグラスソースの煮込み料理など色が濃い料理と合います。エビやカニなどの甲殻類、貝類との相性もいいです。スタウトの酸味はトマトの炒めものにも向いてます。
・ビーフシチュー
・エビの鬼殻焼き
・ラタトゥイユ
【代表的なビール】
ギネス スタウト
ベルジャンダブル
【基本情報】
発祥国:ベルギー
アルコール度数:6.3%〜7.6%
IBU:20-30
色度数:16-36 SRM
発酵方法:上面発酵(エール)
【特徴】
レーズンやイチジク、ナッツ、チョコレート、パッションフルーツ、スパイスなどの複雑な香りが特徴。ホップの苦みは弱めでトロッとした甘味がある。色は琥珀色(アンバー)、ダークブラウン。
【歴史】
ベルジャンダブルはベルギーの修道院で生まれました。
ダブルとはそのまま2倍の意味で、他にもシングルやトリプルがあります。これは麦芽の量やアルコール度数の強さを表しています。
ただし正確に2倍、3倍かというとそうではなくシングル<ダブル<トリプルの順でアルコール度数や麦芽の量が増えていくということらしいです。
ちなみにシングルは一般には出回っておらず修道院でしか飲むことができません。シングルはアルコール度数が低めで修道士が食事の際に制限なく飲むことができるらしいです。(実にうらやましい)
ベルジャンダブルはよく「トラピストビール」とも呼ばれます。「トラピストビール」とはトラピスト修道院で作られているビールの総称。厳しい条件をクリアした修道院だけが晴れて「トラピスト」を名乗れます。
トラピスト修道院以外の宗派やトラピスト修道院のビールレシピにロイヤリティを支払って民間の醸造会社が作っているビールは「アビィビール」と呼ばれます。アビィビールの中では「レフ」などが有名ですね。
【合う料理】
複雑な香りと甘味が特徴なのでバーベキューソースなどの濃い色の甘辛ソースを使った料理と好相性。生姜を使った料理とはお互いのスパイシーな香りを引き立たせます。ブルーチーズと合わせると塩気と甘味のバランスが絶妙。
・スペアリブ
・ジンジャーポークソテー
・ゴルゴンゾーラ
【代表的なビール】
ウェストマール ダブル
レフ・ブロンド
バーレイワイン
【基本情報】
発祥国:イギリス
アルコール度数:8.5%〜12.2%
IBU:40-60
色度数:14-18 SRM
発酵方法:上面発酵(エール)
【特徴】
軽くローストしたモルトのカラメル香やエステル香(バナナのようなフルーティな香り)、シェリー酒のような香りが豊富。甘味は強めで、アプリコットのような酸味やホップの苦味も感じられる。アルコール度数がワインと同程度のものもある。
【歴史】
バーレイワインはイギリスで誕生しました。1700年代にワインへの尊敬の念をこめて「モルトワイン」という名前が使われ、これが後に「バーレイ(大麦)ワイン」と呼ばれるようになります。
バーレイワインを広めた立役者がバス社。バス社は「バス ペールエール」というビールで有名なイギリスの老舗メーカーです。
バス社は1903年に「バス No.1 バーレイワイン」というアルコール度数の一番高いエールを発売し、本格的に広まっていきます。
バーレイワインは半年から長くて10年ほどかけて熟成されます。なかには1本数万円にのぼるビンテージビールもあるとか。
ハレの日にいつもと違った高級ビールを飲んでみるのもいいかも?
【合う料理】
バーレイワインは強い甘味と大量のホップによる爽やかな苦味が特徴。山菜や野菜のえぐみやハーブ感がビールの苦味と合います。カラメルのような香りはスモークした料理と相性抜群。ドライフルーツのような香りと甘味には酸味のあるチーズがよくマッチします。
・たけのこの天ぷら
・スモークサーモン、燻製卵
・クリームチーズ
【代表的なビール】
アンカー・オールドフォグホーン
まとめ
いかがでしたでしょうか。ビールって意外と奥が深いでしょ?
今回紹介したビールスタイル以外にも世の中にはほんとに多種多様なビールがあります。
ぜひ色々試してみて自分が好きなビールスタイルを見つけてください!
きっともっとビール選びが楽しくなるはずですよ。
それではまた!Cheers!
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