クラフトビールって何?

ビール

Cheers!体のハンブンがビールでできてるSANTO(@elsantobeer)です。

いやぁクラフトビール流行ってますねー!ビールの楽しさをいろいろな人に知ってもらいたいぼくとしては非常に嬉しい流れ。

この記事ではビールは好きだけど詳しいことはわからない、クラフトビールって何よ?って人のためにクラフトビールとは何かを解説します。

クラフトビールとは

クラフトビール (英語: craft beer) とは、英語で「職人技のビール」「手作りのビール」などを意味する表現で、大手のビール会社が量産するビールと対比して用いられる概念。日本語ではクラフトビアと表現されることもある。地ビールとも呼称される。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

「職人技」「手作り」「少量生産」というのがクラフトビールの定義っぽいですね。実はクラフトビールの発祥はアメリカなんです!知ってましたか?

アメリカのビールというと漠然と「薄い」というイメージを持ってる人もいるかと思います。アメリカでどのようにしてクラフトビールが誕生したかをみてみましょう。

アメリカのビールの歴史

ラガービールとの出会い

アメリカには16世紀から17世紀にかけてヨーロッパからの移住者がビール作りの技術をもたらしました。

1620年には現在のニューヨークに商業的醸造所が設立され、その後国家的産業として各地で醸造所が誕生します。

はじめは上面発酵ビールのエールなどを作っていましたが、1840年にドイツ・バイエルンからフィラデルフィアに移住したジョン・ワグナーという人がアメリカにラガーイーストを広めました。

これが大変な人気となり、たちまちラガーはエールやポーターに代わってアメリカのビール界を席巻しました。大ラガー時代の幕開けです。

↓エールとラガーの違いについてはこの記事も参考にしてね↓

【参考】エールとラガーって何が違うの?

アメリカビール史を築いたドイツ人たち


Photo by Nitish Meena on Unsplash

19世紀には延べ800万人のドイツ人がアメリカに移住しており、彼らがアメリカのビール史を築いていったといっても過言じゃありません。

中でもエバーハート・アンハイザー、アドルファス・ブッシュ、アドルフ・クアーズ、フレデリック・ミラーの4人は外せないでしょう。いずれもドイツ出身。

エバーハート・アンハイザー / アドルファス・ブッシュ

エバーハート・アンハイザー

立役者の一人であるエバーハート・アンハイザーは1842年にドイツからアメリカ・ミズーリ州セントルイスに移住しました。

アンハイザーは石鹸工場を営みながら財をなすと、ひょんなことから醸造所を譲り受けます。(債務者の借金のカタとして醸造所をもらった)

アドルファス・ブッシュ

そしてアンハイザーの娘さんがドイツ出身でビール醸造資材の会社を経営していたアドルファス・ブッシュと結婚。

ブッシュはアンハイザーのビジネスに加わり、醸造会社アンハイザー・ブッシュが誕生します。

まさにベストマッチ!1876年には有名な「バドワイザー」が販売され世界的な大ヒットビールとなります。

アメリカのビールと聞いてまっさきにこのビールを思い浮かべる人も多いんじゃないでしょうか?

2008年にはベルギーのビール会社インベブに買収・合併され世界最大のビール会社アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)傘下に。アメリカ国内のビール消費量の半分近くを占めているアメリカビール界の巨人ですね。

アドルフ・クアーズ

もう一人の立役者であるアドルフ・クアーズは1868年にアメリカに移住。コロラド州のゴールデンという場所にアドルフ・クアーズ・ゴールデン・ブルワリーという醸造所を作ります。

1980年代にアメリカ中西部諸州から全国展開を進め、2005年にはカナダのモルソン・ブルーイング・カンパニーと合併。

コロラド州ゴールデンのクアーズ醸造所では年間約2000万バレルのビールを生産するなど世界最大規模の生産能力を誇っています。

フレデリック・ミラー

フレデリック・ミラー

最後にフレデリック・ミラー。彼は1854年にアメリカに移住し、翌年ウィスコンシン州ミルウォーキー近郊の醸造所を買収しミラー・ブルーイング・カンパニーを設立します。

ミラー社は1973年に低カロリービール「ミラー・ライト」を発売。これまで低カロリービールというとダイエットに関心のある女性が主なターゲットだったのが、たくみなマーケティング戦略で男性が大量に飲めるというイメージに作り変えることに成功。

「最高の味、しかも何杯でもいける」というキャッチフレーズとプロスポーツ選手などいわゆる「マッチョ」を広告塔に起用することで、低カロリービールとして初めて商業的な大成功を収めました。

この「ミラー・ライト」を武器にアメリカ国内でバドワイザーに次ぐ第2位の大人気ブランドに成長。そして2002年に南アフリカ醸造所(SAB)に買収されSABミラーになりました。

現状への反発からクラフトビールが誕生

こうしてアメリカンビールの礎を築いていった彼らですが、ビール愛好家の間ではいつしか「どこいっても同じビールしかないじゃん」「個性がなくてつまらん」という現状への反発が湧くように。

ようはアメリカのビールに飽きちゃったんですね。

このときのフラストレーションが後のクラフトビール醸造運動の盛り上がりに繋がっていきます。

クラフトビール醸造にはじめて取り組んだのはフリッツ・メイタグ。サンフランシスコの潰れかけの醸造所アンカー・ブルーイング・カンパニーの権利の大半を1965年に買収しました。

メイタグは品質に徹底的にこだわったクオリティの高いビールを作り続け、見事アンカー・スチーム・ビールをよみがえらせました。このビールは浅い開放式発酵槽で発酵させて作られる独特なもので、この醸造所オリジナルのビアスタイルです。

メイタグの姿勢に触発された小規模で独立心のある多くの醸造家が次々と素晴らしいクラフトビールを生み出し、次第に大きなうねりとなってアメリカのビール界に新しい風を吹き込んでいきました。

まだまだビール市場全体のパイからするとクラフトビールの占める割合は小さいものの、クラフトビール醸造所の増加数をみるに「アメリカのビールはつまらん」と嘆いていたビール愛好家たちのハートはガッチリ掴んだようです。

クラフトビールのビッグウェーブはアメリカだけじゃなく世界各地に広がりさまざまな新しいビールがどんどん生まれています。ビールの今後がますます楽しみですね!

日本のクラフトビール事情

地ビールとクラフトビールの違い

ここまでアメリカのビール事情をみてきましたがついでに日本のビール事情もみてみましょう!突然ですがみなさんは「地ビール」という言葉聞いたことあります?

1994年に酒税法が改正され、ビールの最低製造数量基準が2,000キロリットルから60キロリットルに引き下げられたことをうけ、全国各地に小規模なビール醸造会社が次々に登場しました。このとき誕生した各地のご当地ビールがいわゆる「地ビール」と呼ばれるようになります。

しかし悲しいかなこの「地ビール」は一過性のブームで終わってしまい、一時は300社ほどあった醸造会社も次第に時代の流れに淘汰されていきます。

「地ビール」ブームは2003年に終息するも生き残った醸造会社は「職人技」「手作り」「少量生産」をキーワードに「地ビール」を「クラフトビール」として再定義し、クオリティの高い素晴らしいビールを世の中に提供していく方向へと舵を切ります。

日本のクラフトビール界でもっとも有名かつ成功しているのがヤッホーブルーイング。彼らは2004年にビールの電子商取引に取り組み規模を拡大させています。

ヤッホーブルーイングはホントに個性的な会社でビールの名前も変わってます。「よなよなエール」とか「インドの青鬼」とか聞いたことないですか?時々コンビニでも売ってるのでもし見つけたらぜひ飲んでみてください。ビールの概念が変わるかも?

一方、このクラフトビールの盛り上がりを大手さんが見逃すわけはありませんよね?大手各社もこれまた素晴らしいビールを提供してくれています。

個人的な感想ですが大手の中では特にキリンビールがクラフトビールに力を入れてる気がします。ビールが苦手なぼくの嫁さんも「グランドキリンIPA」は美味しいとゴクゴク飲んでたし。こちらも機会があればぜひお試しあれ!

ビールが苦手な嫁さんとのくだりは以下記事も読んでみてくださいね。

【参考】このブログについて

ちなみに大手が作るこうしたビールをアメリカでは「クラフティ(クラフト風)・ビール」と呼ぶそうです。まぁぼく的にはクラフトでもクラフティでもうまけりゃオールOK!なわけですが。

まとめ

いかがでしたでしょうか。結局「クラフトビールって何よ?」と言われると「小規模な醸造所がつくる、多様で個性的なビールのこと」と要約できそうです。

マイクロブルワリーも大手も美味しいビールを作ろうと日々切磋琢磨しているかと思うと、今後もクラフトビールから目が離せませんね。いやぁビールってホント面白い!

国内外のオススメクラフトビールについてはおいおい紹介していきたいと思ってますのでお楽しみに!

それではまた!Cheers!

 

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オススメのビール本


タイトルどおりずばりビールの歴史に関する本。若干固めかな?と思って読み進めていくと歴史だけじゃなく各国でのちょっと変わったビールの飲み方や著名人のビールに関する名言などがたくさん紹介されています。思わず「へぇ〜」と言ってしまうネタが満載でビールの歴史や雑学を楽しく学びたい人にはうってつけの本。いろいろなスタイルのビールのルーツも一緒に学べるのでオススメです!
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